「がん医療の現在(いま)2000-12」
第17回がんについての市民公開講演会記録
ISBN | 978-4-87066-146-2 |
判型 | B5 |
ページ | 62 |
定価 | 本体762円+税 |
送料 | 実費 |
1.がん予防・検診の最新情報
~どのような検診をどのように受けるべきか~
国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部長/祖父江友孝
●どのように検診を受ければ、がんを早く見つけられるの?
2004年2月に「国立がんセンターがん予防・検診研究センター」が設立されました。
「早期発見・早期治療」ががん医療の基本原則ですが、ではどのような検診をどのように受けるのがよいのかは、実は難しい問題です。
確実に早期発見につながり、その後の治療に貢献するのはどのような検診かを、「がん統計の読み方」を踏まえ分かりやすく解説されます。
【目次】
§1 がんの実態
● がん統計はどう取られるのか
● 統計にみるがんの実態
§2 がんの原因と予防
● 「遺伝要因」と「環境要因」
● 遺伝と環境のどちらが大きな要因か
● 何が発がんの大きな環境要因か
● がんと喫煙、がんと食事
● がんを予防するために
§3 がん検診~どんな受け方をするのが合理的か
● 検診の目的
● 検診の利点と問題点
● 合理的ながん検診の受け方
おわりに
【Q アンド A 】
最近の若い女性で乳癌のリスクが高いのはなぜ?
子宮内膜がんはどうして喫煙で減るの?
がんに確実に効くサプリメントはあるの?
「がん予防・検診研究センター」で検診を受けるには?
検診の「有効性」の基準は?
検診で生じる「不利益」とは?
検診の間隔はどのくらいあけるのがいいの?
2.がんの免疫療法と造血幹細胞移植
国立がんセンター中央病院薬物療法部長/高上 洋一
● 「免疫療法」に効果はないの?
「リンパ球療法」等の名称で宣伝される「がん治療法」があるようですが、がんは目に見えるまでに成長する過程で、すでにその人が持つ免疫の網の目をかいくぐっており、「免疫力」によるがん治療法には期待できないのが現実です。
なぜ、これまで登場した免疫療法に効果がなかったのかについての説明とともに、現在、効果が期待できる第3世代の免疫療法である「造血幹細胞移植(骨髄移植)」の現時点での到達点について、やさしく解説されます。
【目次】
§1 がんと免疫
● がんに対する免疫の力
● 免疫系で登場する「プレイヤー」(免疫担当細胞)
● 免疫療法の歴史
● 「リンパ球療法」の問題点
● 「樹状細胞」 の登場
● 樹状細胞療法の方法
● 樹状細胞療法の結論
● 「免疫療法」 の現時点での総括
● では、「免疫療法」 は効かないのか
● では、免疫の力には期待できないのか
§2 最強の免疫療法~同種造血幹細胞移植
● 骨髄移植がなぜ免疫療法なのか
● 「骨髄移植」 と 「幹細胞移植」 の言葉の意味
● 幹細胞ががんをやっつけるプロセス
● 同種移植の実際
● 造血幹細胞移植の合併症(副作用)と効果の不思議な関係
§3 幹細胞移植の展開~「ミニ移植」とは何か
● 「ミニ」 と呼ばれる意味
● ミニ移植の固形がん治療への応用
おわりに
【Q アンド A 】
「免疫療法」 と 「抗がん剤療法」 の併用に効果はないの?
「自家移植」 とは?
がんに対するワクチン療法の研究の現状は?
温泉はがんに悪いと聞いたのですが?
「ミニ移植」 は高齢者でも安全に受けられるの?