「がん医療の現在(いま)2000-11」
第16回がんについての市民公開講演会記録
ISBN | 978-4-87066-145-5 |
判型 | B5 |
ページ | 40 |
定価 | 本体762円+税 |
送料 | 実費 |
1.がん研究の現状と展望
国立がんセンター研究所長/廣橋説雄
●がんに対する遺伝子治療は可能なの?
「ヒトゲノム解読」というニュースが新聞を賑わし、遺伝子の病気であるがんに対する遺伝子治療への期待が高まります。
しかし、新しい治療法の開発は容易なことでなく、それは遺伝子を標的にした治療法についても同様です。
これまでのがん研究で明らかとなった「がんの成り立ち」の解説と、今後の研究の方向性を平易に語ります。
【目次】
§1 私たちのからだの成り立ちと「がん」
● 細胞と遺伝子
● がんのはじまり
● 発がんのプロセス
● がんの組織分類
● がんはどのように進んでいくのか?
● がん医療の課題
§2 1980年代以降のがん研究の展開
● 遺伝子を検索する
● 10 か年戦略の成果
● がん遺伝子が存在する 「証拠」
● がん遺伝子の例
● がんを抑制する遺伝子
● なぜがんは転移するのか?
§3 これからのがん研究の方向
● ポスト・ゲノムの遺伝子研究
● 「がんになりやすい」 遺伝子の型
● 「マイクロアレイ(DNAチップ)」 という遺伝子解析法の可能性
おわりに
【Q アンド A 】
「がんができやすい体質」の研究状況は?
「がんは遺伝しない」 ことと 「がんになりやすい体質は遺伝する」 ことの違いは?
「DNAチップ」 とは?
遺伝子検査で抗がん剤の効果を知ることは可能?
遺伝子研究の血液検査への応用状況は?
2.肝臓・胆道・膵臓のがんについて
国立がんセンター中央病院外来部長/小菅智男
●治すことが難しいがんにはどのような治療が行われるの?
多くのがんが「治るがん」となっている一方、現時点においてなお根治が難しいがんも存在します。そうしたがんである、肝臓・胆道・膵臓に生じたがんについて、なぜ治療が難しいのか、現在どのような治療が可能なのかについて講演。
そうした難治がんに立ち向かう医師の真摯な姿勢が実感できる、がん医療の困難さを読者が共有できるお話です。
【目次】
§1 肝・胆・膵がんとは
● 死亡原因における肝胆膵のがんの割合
● 地域による特徴
● 「肝胆膵」 領域におけるがんとは
§2 肝がん (肝細胞がん)
● 肝がんの特徴
● 肝炎ウイルスと肝がん
● 肝がんの画像診断
● 肝がんの治療法の種類
● 肝がんの生存率
● 肝がんに関して知っておきたいこと
§3 胆道がん (胆嚢がん・胆菅がん)
● 胆道がんの特徴
● 「黄疸」 という症状とその治療
● 胆道がんの手術療法
● 胆道がんの治療成績
● 胆道がんを切除できない場合の治療
§4 膵がん (膵菅がん)
● 膵がんの特徴
● 膵がんの治療①切除できる場合
● 膵がんの治療②切除できない場合
おわりに
【Q アンド A 】
転移性肝臓がんの治療法は?
人間ドックで膵臓がんを見つけることは可能?