「がん医療の現在(いま)2000-8」
第13回がんについての市民公開講演会記録
ISBN | 978-4-87066-140-0 |
判型 | B5 |
ページ | 56 |
定価 | 本体762円+税 |
送料 | 実費 |
1.肺がんとかかりつけ医
国立がんセンター中央病院 副院長/土屋了介
●がん医療における「かかりつけ医」の大切さとは?
「がん医療」と言えば、専門病院の役割は大きいものです。
しかし、健診から初期診断、専門病院での治療後のケアなど、かかりつけ医・一般開業医の役割は、がん医療でも重要な位置を占めます。
がんが「慢性疾患」と考えられる現在、がん医療における専門医とかかりつけ医の役割を、講演者自身のがん経験(大腸がん)を踏まえて語られています。
【目次】
§1 肺がんを見つけよう
● 肺がんの検診
● 胸の写真で専門医が陥る間違い
● がんを見つけるプロと治すプロ
● 何の検査を受けるか
§2 CTという検査の武器
● CT導入による検診の成績
● CTの有用性
§3 肺がん治療の現在
● 肺がん治療の主役とは
● 肺がんの告知とインフォームドコンセント
● これからのがん治療
§4 がん医療の体制を整える
● がん「医療」にかかわる多くの専門家
● 医療システムを全体として捉えなおす
● 総合病院を中核にした体制
§5 かかりつけ医と慢性疾患としての肺がんとのかかわり
● がん治療後の経過をみる
● 再発後に,いかなる治療を行うか
● がんの進行とかかりつけ医
おわりに
2.食道がんの治療
~および患者の立場からみたがんの早期診断~
元 国立がんセンター中央病院手術部長/飯塚紀文
●がん外科医自身ががんになったときに考えたことは?
がんは「早期発見」が重要です。それは医学的に明らかなことです。
しかし、がんを患った患者の立場から「がんの早期発見」を考えたときに、その言葉はどのような意味を持つのか。
ご専門の食道がんの基礎知識と、講演者自身のがん経験(リンパ腫)を、がんという疾患をご自身の人生観から率直にお話しされています。
【目次】
§1 食道・食道がんとは
● 食道の場所
● 食道がんの原因
● 食道がんを起こす物質
● 食道がんの発見
● 手術と放射線療法
● 食道がん手術の実際
● 食道がんのその他の治療法
● 治療法の選択は
§2 患者の立場としてみたがん医療
● 私のがん経験
● がんはなぜ怖いのか
● 死を過剰に恐れない
● 早期発見の意義
【Q アンド A 】
がんの痛みは避けられる?
「健康食品」は有効?
検診は高額だと思うが?
本当に「かかりつけ医」は近くにいるの?
「セカンド・オピニオン」を依頼するには?
お酒やたばこの量は?
がん治療後の経過をみるかかりつけ医の選択は?
付.がん患者38年の記録―前門戸正利―
(第32回がん学習講演会より)
●がんとともに生きた人生を語る
多くの医療者の努力により、がんは「慢性的に経過する」病気と位置づけられるようになりました。しかし、そのことが言えるようになったのは近年のことです。
がんを患いつつ生きるとはどういうことなのかを考えることは、いままさに始まったばかりの課題といえます。
1965年に甲状腺がんと診断されて以降、38年の人生から「がん医療の変遷」も含め患者さん自身から貴重な体験をお話しいただきました。
【目次】
§1 甲状腺がん―38年前のがん医療
§2 大腸がんと食道がん
§3 38年間で変わったこと
§4 がんから学んだこと
§5 医療チームとの信頼関係
おわりに
【Q アンド A 】